めるとだうん

注意！！

・Ｋちゃんのお話です。
・何か結構暗いお話です。
・流血表現は出ませんが、ある意味自殺願望かもしれません。
・原曲のリンオリジナル『炉心融解』が好きな人は見ない方がよろしいと思います。
・完全なる自己満足です。
・世界観は全く別物と思って読むほうがいいかもしれません。
・もう一度いいます、結構暗いお話です

それでもよろしい方は、続きを読むからどうぞ。

先に後書き（反転でお願いします）

暗い！！！
すげえ何だこれは（笑。
炉心融解が凄いインパクトの強い曲だったのでつい…。
凄いいい曲ですよね、これ。
自虐の様な、未来に向けての前向きな曲なような…。
ちなみに、かげは間違っても自虐的な思いはないと思います。
（ただし、自分を馬鹿にする事はある）
（それは自分で馬鹿をしたと自覚してるから）
それに比べたら、Ｋちゃんって凄い自分は人と違うって思ってる感じ。
思考回路が重たい（笑。
それすらを認めてるから駄目なんだよお前は！！←

どうでもいいですが、読んだ後はニコ動で
『トゥライ』さんの『炉心融解』を聞いていただけると嬉しいです（笑。

聞いてたら
Ｋちゃんが
歌ってるように聞こえて
しゃーなかったんです！！ＯＴＬ

いや、イメージではもうちょっと低い感じだけど。
普通に綺麗な声で、上手いのでお時間があれば、是非！

と、いいつつ、やっぱりＫちゃんは無愛想だけどいいヤツ（ただしヘタレ）
って方がいいですね（笑。
ウダウダ考えるのも勿論彼ですが、
無愛想でヘタレの方が個人的には彼が幸せそうなので…。
やっぱそっちの方がいいかな…。
何があっても、みんな笑顔が透明ロックのモットーです！

読んでくださったかた、重たくってすいませんでした。
そしてＫちゃん、すげえお話書いてごめんな（苦笑。
有難う御座いました！

無くなればいいと
同時に融ければいいと
誰が言ったんだろうか


街角、華やかな電飾が溢れる夜。
夜中だって言うのに、人の波は押し寄せてくる。
雑踏の中、何も考えたくない俺は煙草を麻酔代わりにしてみる。
煙が俺の中に吸い込まれて、一週巡って、また出て行く。

最近眠りたいと思っても眠れない。
そんな眠れない午前２時。
今ココにいる人はみんな何処へ行くのか。
道の真ん中で立ち止まると、世界はどんどん変わっていく。
沢山の人が俺にぶつかり迷惑そうな顔を向ける。
何も思うものはない。麻酔が、効いていった。

もう火のつかないライターをポケットの中でもてあます。
麻酔が胃の中で暴れまわる。うえ、胃が焼けそうだ…。
全てが、そう…嘘で、融けちまえばよかったのにな。
本当は俺は重傷で、体に見えないチューブ（生命線）が
雁字搦めになってるんだろう。
かろうじて世界と繋がってるような気がして仕方ないんだ。

幼い俺の首を絞める夢を見た。
場面は真昼間、しかもいい天気だ。
楽譜やおもちゃが溢れる、小さな頃の俺の部屋で。
苦しそうな俺の顔を見ると、何だか無性に涙が出そうになって
それでも、腕の力は緩まる事は無かった。
どこかにそんな願望があるんだと思ったら、
………恐ろしいほど吐き気がした。

「核融合炉にさ、飛び込んでみたいと思う」

小さな頃、俺がＫじゃなかった時に、そう姉貴に言った気がする。
遠くに見える、馬鹿でかい建物を見て、圧倒された。
そしてそれが…恐ろしい物だと知って余計に。
恐ろしい物は綺麗なのだと、昔から俺は思っていた。

「寝言は寝て言え」
「きっと青色に光るんだよ」
「…Ｋちゃんいつからロマンチストになったわけ？」

太陽の神様は、銀色の髪を揺らして振り向く。
その顔は思いっきり俺を睨んでた、くだらない話すんなって事ですか。
まあ、いきなり言ったら怒るわな。

「核融合炉にさ、飛び込んだら」
「もう聞いたっつーの！死ぬだろ！？普通死ぬっつーの！！」
「…そしたら」

異論は認めないというような言い方された。
人の話を聞くのも神様の役目だろうと俺は言いたい。
でも、俺はそんなの気にせず言葉を紡ごうとした。
…続きを言うのを、俺はためらった。
言ってしまったら、俺は色んな事を認めて。
色んなものに融けそうだから。
だけど、言わなきゃいけないんじゃないかな…。

「全てが許されるような気がして」

言い残して、俺は歩き始めた。
真っ直ぐ見つめる、赤い眼が俺は怖かった。
好きだと言ってくれる人、信頼してくれる人、大事な物が沢山出来た。
だけどな、俺は思ってるより、駄目な人間なんだ。

ベランダの向こう側には、赤く泣き腫らしたような夕焼け。
街や、人がその赤に飲み込まれて融けていくように見えた。
…それが世界の終わりなんじゃないか、なんて。
ロマンチストも大概にしろよ、俺…！

「また首を絞める夢を見た」
「２回目だね」
「まあな」

最初に見たときより、俺は成長していた。
桜が舞うような、そんな綺麗な日なのに、俺は何をしてるのか。
乾いて切れた唇からは、声にならない音が漏れた。
その音が、俺にはシャボン玉のように思えた。
声になった瞬間に割れるような、そんな悲しい物に思えた。

「やべー、俺病気かも」
「困るよ保護者」
「原因がわかればなあ」
「アレでしょ？」

隣で本を読んでいた、月の神様は、紫の髪を鬱陶しそうに眺める。
そろそろ切ってやろうかな、なんて。
太陽の神様と同じ、赤い眼を俺に向ける。
ソコに光はあるのだろうか？

「核融合炉」
「……あー…」
「思い入れが強いようで」

馬鹿にしたような笑顔を向ける月の神様をグーで殴ってやりたくなった。
でも、んな事したら俺が逆に殺されかけないので諦めた。
核融合炉に飛び込んでみたいと思う。
そしたら、そしたら。

「真っ白に記憶が、融かされると俺は思う」
「それはまた………綺麗な例えだね」

そう言い残して月の神様は、
この話題にはもう興味が無いと言わんばかりに本に集中し始めた。
どうやら、２人の神様はマイペースで自由人みたいです。
記憶が消えて、真っ白に融けたら。
何も分からなくなったら、
また昔みたいに眠れる気がしてしゃーないんだよ。

夜中、真っ暗な俺の部屋では時計の秒針や、隣の部屋から聞こえる音楽。
ここに居るけど、居ない奴の笑い声が飽和して響き合う。
下手糞すぎるカルテットで、意味の分からない音を奏でまくる。
耳鳴りが消えない、止まない。
エマージェンシー
耳鳴りが消えない、止まないんだよ。

「で、今日はなんか夢見たのー？」
「あー……うー……」
「唸るような夢ですかー？」

今日は誰も居なかった。だから、誰の首も絞めてなかった。
だけど、消えていった。
俺が知ってる全ての人が、泡みたいにはじけて消えた。
残ったのは俺だけだった。
音が全く無い静寂が、胸につかえて息が止まるかと思った。

「軽く死ぬかと思ったわ」
「えー！それヤバいよけーちゃん！！」
「そうですよー！」

心配してくれる、双子の星の神様は、同じ色の赤い片眼で俺を見てくる。
小さな二人の頭を撫でる、お礼の意味をこめながら。
双子の神様は顔を見合わせた後、
俺が元気になったんだと思ったんだろう、笑顔をくれた。

息が出来なくなった後、実は続きがある。
終らない静寂、はじける見知った顔。
意思から切り離された両目からは、涙が溢れる。
世界が融けはじめた。
そんな世界に、どうしても耐え切れなくなった。

俺は、発狂した。

や、ぶっちゃけあんまり覚えてないけど。
だけと、解けたんだ。
この夢から開放される術を、思いついた。
それはあまりにも簡単で、思いつかないほうがアホかと。

淵に立つ俺は、何だか複雑な気持ちだった。
現実と夢がごっちゃになってて、
今こうしてる俺がどっちなのかわからない。
もしかしたら俺が現実だと思ってるほうが、
夢だったりするかもしれない。
太陽や、月や、双子の星の神様と話した事がある俺は、
本当はこの世界に飽き飽きしてる俺が見た夢なのかもしれない。

俺は考える事をやめた。
思考力が低下している、今の俺は本能だけなんだろう。
つっても、元々本能だけで生きてるような奴だけどな、俺。

核融合炉にさ、飛び込んでみたら。そしたら。

青色の綺麗な光と一緒に、眠るように消えて行ける。
目の前の青と、指先から白くなる俺と。
融けた行く先は…？

俺の居ない朝は、多分今より素晴らしいもので。
…俺みたいな、形のあわないピースじゃなくて、
きちんとした本来のピースが納まるんだろう。

きっと、そんな世界だ。


炉心融解
（融けて消えろと言ったのは、俺自身だった）